成長のため、誰もが自分の代わりを任せられるNo.2を育てる
このように“子どもたち”とのかかわり方が深いからこそ、200人の社員全員を直接自分の手で育てることは難しい。そのため、社長や専務は20人程度の幹部の面倒は”棺桶に入るまで”徹底してみるが、その下のメンバーの育成は自分が育てた幹部たちに任せる。
そこで鍵を握るメッセージがある。
「いつも言っているのは『あなたのNo.2は誰ですか?』ということ。自分が次のステップに進もうと思ったら、自分の代わりを任せられる“No.2”の存在が必要です。そんな部下や後輩を育てなさいと。入社2年目からはそのことを意識してもらっています」
誰もが誰かのNo.2であり、自分のNo.2を育てている。この“No.2の連鎖”が一人ひとりの自覚と自律を育んでいるのだ。また、若手の成長を促す仕掛けはほかにもある。
「その後の成長のためにも大切なのは3年目。だから、新卒・中途、部門を問わず3年目の子たちで“ジュニアボード”を結成させて、次世代のベアーズを作るためのアイデアを考え、実行してもらっています。例えば、現場スタッフのベアーズレディを社員がおもてなしする『愛と感謝の祭典』というイベントはジュニアボードから生まれたものです」
人を育て、評価する上で大切にしているのは何よりも“心の健やかさ”だと高橋専務は言う。コアにあるのは会社の志を集約したベアーズフィロソフィーであり、ベアーズDNAだ。志が共有できていれば、それぞれの生き方ややり方は多様で構わない。個性を尊重し、伸ばしていく。それこそが、ベアーズ流の大家族主義であり、人を育てる要諦なのだ。
構成/伊藤敬太郎
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