「言い出しっぺ制度」で自由な働き方を認め、変化し続けるネットワーク型企業/株式会社ダンクソフト《後編》

失敗しても「ナイストライ!」。重要なのは挑戦するマインド

このような理念を本当の意味で共有し、実践するには、トップダウンのピラミッド型組織では難しいと板林氏は語る。

「当社は、誰かが言い出しっぺになって、賛同する仲間が集まり、プロジェクトが立ち上がり、終わったら解散して、また誰かが言い出しっぺになって…というアメーバのような運動を繰り返す “ネットワーク型組織”。社長やマネージャーは自律的に動く社員をエンパワーメントする役割を担っています。ですから、失敗をしても、挑戦したことについては必ず『ナイストライだった』と讃えるんです。挑戦する気持ちがなくなったら当社は終わりですから」

このようなネットワーク型組織を形成するポイントは、一つには、トップがマネージャーに権限委譲し、マネージャーは現場のメンバーに任せること。そして、もう一つが「対話」だという。

「マネージャーと現場との対話は非常に大切だと考えています。例えば、入社時に、当社が掲げる理念に沿って何がやりたいのかは確認しますが、それも1年1年変わっていきます。日常的な対話を通して、個人が抱える課題、周囲で起きている課題を常にすり合わせることで、初めて適切なエンパワーメントができるんです」

言い出しっぺ制度が同社の原動力とはいえ、誰もが新規プロジェクトの提案者であることを強制されるわけではない。多様性を重んじる同社では、開発業務に専念したければ、そのように働くこともできる。一方、ダンクソフトで過ごすうちに、先輩や仲間が立ち上げたプロジェクトが次々に動き出していく環境に刺激されて、自然と言い出しっぺになる社員もいるという。

単なる制度や研修では、主体的・自律的な社員を育てることは難しい。理念を徹底することで醸成された、自由でワクワクするネットワーク型組織ならではの風土こそが、人を育てるのだ。 

構成/伊藤敬太郎

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