保育スタッフから経営陣も育てたい!社会問題解決のため「働き方×人材育成」革命をやりきるNPO法人/認定NPO法人フローレンス《後編》

将来は経営陣も生みたい! 保育スタッフのキャリア意識を育み、長期的に育成

今、フローレンスが特に力を入れているのは保育職のキャリア意識の醸成だ。同社に入社当時、保育職の面接を担当した宮崎氏はカルチャーショックを感じたという。

「保育職の人たちは自身のキャリアビジョンがない人が多かったんです。面接で『5年後、どんな保育者になっていたいか?』と質問をしても答えが返ってこない。事務系の職種の面接ではありえないことですよね。つまり、自分の将来のキャリアについて考えるトレーニングを受けてこなかったんです。実際、そのような教育プログラムはどこにもありません。それなら私たちが創っていこうと」

フローレンスでは、さまざまな社会課題解決に取り組めるマルチな人材の育成を目指しているため、事務局スタッフは3年で異動を推奨する。病児保育、小規模保育に加え、障害児保育も手掛けるようになった同社では、保育スタッフも異動を通して幅広い経験を積むことが可能だ。環境は整っている。

そして、宮崎氏らが「ビジョンをもとう」とあの手この手で粘り強く働きかけ続けた結果、保育スタッフの意識にも変化が生まれてきた。

「嬉しいことに、保育スタッフの中にも公募に手を挙げる人たちが増えてきました。今は、保育スタッフのために、自分に合ったビジョンを描くためのモデルになるキャリアマップを作成しているところです。女性として、出産・育児などのライフイベントも経ながら、例えば、事務局のマネージャーへというステップもあるでしょう。将来的には、保育スタッフ経験者から経営陣へとステップアップする人も出てきてほしいと期待しているんです」

保育現場の大人たちがビジョンを持って生き生きと働いていることは、子どもたちが育っていくうえでも良い影響を与える。だからこそ、子どもたちのためにも、保育スタッフの意識改革は大切なのだと宮崎氏。

これもまた一つの革命だ。フローレンスを起点に、日本の保育職のキャリアのあり方が大きく変わっていくかもしれない。

構成/伊藤敬太郎

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