JAL、ANAの出向者受け入れも社会貢献!長期的視野に立った経営が多様な人材がチャレンジし、活躍するカルチャーを醸成する/(株)ノジマ 取締役兼執行役人事総務部長 田中義幸氏《後編》

前川孝雄の対談後記:理念が組織の隅々にまで浸透しているからこそ、若手からシニアまで多様な人々が同じ目的に向かって自律的に活躍できる

今回のJAL、ANAの出向者受け入れは、外側から見れば採用不人気業界の企業として「人手不足だから」採った施策のように思えるかもしれないが、お話をお伺いして、あくまで社会貢献のための取り組みだと知って大きな感銘を受けた。ノジマは新しいことにも積極的に取り組み、変化を自ら起こしてきた企業だが、社会貢献、地域貢献という軸は頑なまでに一貫している。

理念として社会貢献を掲げていても、言葉とは裏腹に目先の収益を追ってしまう企業は少なくないが、ノジマはトップが常に核となるメッセージを発し、メッセージに合致する経営を実践し続けている。同業他社の動きに釣られインバウンド需要獲得に走ることもなかった。このシンプルな一貫性こそが組織全体へのカルチャーの浸透につながっている。方針発表会や社内報での意識共有といった手法そのものは決して斬新なものではないが、重要なのは手法の目新しさではない。正しいと思える経営を貫くことこそが肝要で、ノジマはその点ではブレることがない。

また、社会貢献というシンプルな経営理念が従業員一人ひとりに浸透していることは、人材育成という観点からも大きな意味を持つ。根本にある考え方がしっかりと共有されているからこそ、共通の目的に向かって、それぞれが自分で何をするかを考え、自由にチャレンジすることが可能になるからだ。だからこそ、ノジマでは若手からシニアまで、パート、アルバイト、出向者も含めた多様な人たちの活躍が実現されている。変化の時代、多様性の時代だからこそ、ノジマの愚直なまでに哲学を貫く経営および人材育成に関する姿勢は多くの企業にとって参考になるはずだ。


株式会社ノジマ/神奈川県横浜市に本社を置き、首都圏を中心に店舗展開している家電量販店。1959年に設立された野島電気工業社からスタートし、1982年、株式会社野島電気商会に組織変更。1991年、株式会社ノジマに商号変更。店舗数は2021年1月現在、国内で253店舗。国外ではカンボジアのほか、2021年1月シンガポールに新商業施設を開業することを発表した。2012年以降、経常利益は右肩上がりで上昇を続けている。2020年3月期は、売上高5239億6800万円、経常利益242億1800万円。経営理念は「デジタルGS4(Goods・Soft・Support・Service・Solution)を提供・普及させ、 地域、さらには日本の発展に貢献する」。


構成/伊藤敬太郎

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人材育成の専門家集団(株)FeelWorksグループ創業者。兵庫県生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒業。リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」「就職ジャーナル」などの編集長を経て2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、独自開発した「上司力研修」「50代からの働き方研修」、eラーニング「新入社員のはたらく心得」などで400社以上を支援している。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年に(株)働きがい創造研究所設立。一般社団法人企業研究会 研究協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業 審査員なども兼職。著書は『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『上司の9割は部下の成長に無関心』(PHP研究所)、『年上の部下とうまくつきあう9つのルール』(ダイヤモンド社)、『「仕事を続けられる人」と「仕事を失う人」の習慣』(明日香出版社)、『もう、転職はさせない!一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)など30冊。最新刊『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)は、発売2カ月で4刷とベストセラーとなっている。YouTube「FeelWorksチャンネル」で働き方のヒント発信中▶https://www.youtube.com/channel/UCQfltGZFasnuK0BWQA8BSjg/