副業促進をどう捉えるか?《前編》キャリアビジョンを実現するため 「福業」思考を持つ

キャリアビジョン実現のための自分磨きと成長のチャンスと捉える

社員の立場で副業をどのように前向きに捉えるか。結論から言ってしまうと、自律型人材を目指して自らのキャリアビジョン実現に向けた腕試しや経験を積む絶好のチャンスと捉えて活用することです。そのためには、まず自らの当面のキャリアビジョンを明確にして、キャリア形成に向けて自分を磨いていく姿勢をもつことが必要です。

人生100年時代となるなかで、今後は若手社員からミドル・シニア社員に至るまで、自ら役割・仕事を創り出し、周囲を巻き込み、結果を出していく「自律型人材」としてのキャリア自律が求められてきます。ミドル・シニア層は、目前の50~60代でのキャリアチェンジとキャリアシフトを真剣に考える必要に迫られています。また、今後70~80歳まで働くことが普通になる若手・中堅世代には、企業の平均寿命が30年程度とされるなか、自分のキャリアビジョンを会社任せにせず自ら描き実現していくことが求められてきます。

その際に、副業先を自分のプロフェッショナリティーを磨き、働きがいや生きがいや成長を得るための場として考えるのです。誰しも、現在の職場・仕事で体験できることは限られます。組織人の役割として果たさなければならない仕事だけでは、自分のキャリアビジョンを実現していくために不足する場合もあるでしょう。そうであれば、それを社外の副業として行うことで有意義な経験を補うことができます。

市場価値を客観視する場、キャリアビジョンを発見する場とする

キャリア自律を目指すなら、大よそ30代半ばから40歳程度の時期までは組織のリソースを有効活用しながら「一人前」へと成長するよう工夫することが大事です。その上で、その後はプロフェッショナルとして、自分の会社をお客様に見立てて如何に貢献できるかを考えて働くことです。組織の上から指示・命令を受けてその通りに働くだけではなく、自分が職場に貢献できることは何かを考えて働く。そのことは、ひいては職場が顧客や社会に貢献し選ばれるための自分の役割、介在価値が何かを見定め発揮することにもつながるのです。

プロフェッショナルとして、異なる複数の仕事を持ち、それぞれの仕事で市場価値を発揮し、評価を受け、相応の対価を稼ぐ。こうして自分を磨きながら働くのです。

また、長く活躍し続けたいと考えた時に、自分の客観的な市場価値を知っておくことは大切です。社内ではそれなりにできてはいても、社外でどの程度評価され通用するかは、実際に働いてみなければ分かりません。そこで、副業の場で腕試しをしてみるのです。実際の顧客満足度や第三者からの評価などで自分の実力を知り、さらに必要な自己研さんにつなげることもできるでしょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

人材育成の専門家集団(株)FeelWorksグループ創業者。兵庫県生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒業。リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」「就職ジャーナル」などの編集長を経て2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、独自開発した「上司力研修」「50代からの働き方研修」、eラーニング「新入社員のはたらく心得」などで400社以上を支援している。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年に(株)働きがい創造研究所設立。一般社団法人企業研究会 研究協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業 審査員なども兼職。著書は『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『上司の9割は部下の成長に無関心』(PHP研究所)、『年上の部下とうまくつきあう9つのルール』(ダイヤモンド社)、『「仕事を続けられる人」と「仕事を失う人」の習慣』(明日香出版社)、『もう、転職はさせない!一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)など30冊。最新刊『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)は、発売2カ月で4刷とベストセラーとなっている。YouTube「FeelWorksチャンネル」で働き方のヒント発信中▶https://www.youtube.com/channel/UCQfltGZFasnuK0BWQA8BSjg/