企業は50代ミドルの独立支援に舵を切ろう《前編》

社員の個人事業主への独立を支援するタニタ・モデル

過日の日本経済新聞で取材された株式会社タニタの事例は、とても示唆に富むものです(2020年4月7日「「あえて退社」タニタの選択」)。同社は、正社員にあえて退職してもらい、個人事業主として業務委託契約を結び直すという、大胆な施策を採り入れました。その目的は、社員が自らの強みを活かし、モチベーションを高め、自律的に働くことを促すことです。会社から雇われる「やらされ感」を払拭し、「120%の努力を120%の収入に直結させる仕組み」にすることで、主体的でイノベーティブな人材が育つと考えたからです。

同社では、本制度導入にあたり、移行する社員の不安解消のため、業務委託契約は3年間とし、初回契約では正社員時代の業務を踏襲。給与・賞与・交通費の額も引き継ぐことで、手取りは社員時代よりむしろ増額されます。個人事業主なら、自己啓発の研修費やビジネス書購入費、社外の人との打ち合わせ飲食費、在宅ワークの場合の住宅費や光熱費の一部なども必要経費に計上できることもメリットです。

実例として紹介された50代の主席研究員は、同社で培った体脂肪計などのデータ解析技術をもとに2016年にプロとして独立。業務委託契約を結びました。最近、個人事業主としての研究活動で、がん予防のデータ解析に手応えを見出し、健康が事業の柱であるタニタで新事業を検討中とのこと。自由とやりがいのある「複業」が相乗効果を上げているのです。

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