企業は50代ミドルの独立支援に舵を切ろう
一方の企業経営者や人事担当者は、法整備が進み努力義務を課された受け身の立場で考えると、ミドル・シニア社員の社外独立まで投資することに何のメリットがあるのかと感じるかもしれません。しかしこの点は、先ほど紹介したタニタの事例や、スウェーデン・モデルの視点からぜひ学んでください。
独立し業務委託契約を結んだ元社員とよい形で協業することが、様々な社外の風を運び入れ、社外に有用なネットワークを広げ、新しいコラボレーションやアライアンスにつながる可能性があります。新たな営業担当者を置かずとも、新規顧客開拓の効果も期待できるかもしれません。ミドル社員が社内で意欲も能力も発揮できず燻っている状態を放置せず、覚悟を決めて独立を視野に入れた支援に踏み出しましょう。そのことがミドルのモチベーションを再度高め、持てる力を引き出し、自社にもプラスの影響をもたらすのです。
スウェーデン・モデルから得られる教訓は「仕事ではなく人を守る」取り組みによって、最新の能力開発への不断の努力を怠らない人材が育てば、環境変化やイノベーションの波にも乗り遅れることなく、一国の経済を健全に回せるということです。「仕事ではなく人を守る」経営が、企業の真の力を高めるはずです。政府のさらなる支援を望みたいところですが、企業も社会の公器。今回の法改正を機に、社外でも活躍できるミドル人材を増やす先駆的な取り組みに期待したいと思います。
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