自己開示と傾聴でガラス張りの領域を広げる
部下は自ら進んで自分の気持ちや考えを上司に打ち明けにくいものです。また上司の本音を知りたくても、直截的に訊くことは遠慮しがちです。そこで、まず上司の側から意識的に自己開示をして、対話の垣根を低くします。自慢話は控え、失敗談や悩んだ経験など、あえて自分の弱みを見せることで、相手との心の距離がぐっと縮まります。自分の弱さをさらけ出す強さを持つのです。時には家族や趣味などのプライベートな話題も提供して、共通の関心事を共有するのもよいでしょう。ただし、上司の側から部下のプライベートに立ち入るのは控えましょう。あくまで部下側からの自己開示を待つのです。
次に、部下の職場や仕事に対する考え方や価値観、キャリアへの考え方や将来への夢などをじっくりと傾聴します。特に、部下が自認している自分の持ち味や強みは何かを必ず聴き、承認しましょう。家庭での子育てや親の介護などの実情や悩みがあれば、しっかり受け止めます。傾聴面談では相手の話を十分に聴き、ありのままに受け止めることが大切です。無理に同調したり、批評したり、助言を行う必要はありません。部下には「よく聴いてもらえた」「また相談に乗ってもらえる」と感じてもらうことが肝心なのです。こうして部下との相互理解を深めることは、心理的安全性を醸成していきます。少しずつ上司と部下の心にガラス張りの領域を広げましょう。
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