テレワーク時代に求められる上司力とは? 〜コロナ禍で一変するマネジメント〜《第3回》

【STEP②】「動機形成」を図る

一定の相互理解が得られたところで、次に行うのが「動機形成」です。チーム全体の目的と、その中で部下に任せる仕事・役割について、やる気になってもらうための働きかけです。前項の傾聴面談とは日を改めて、動機づけ面談として機会を持つことがよいでしょう。この動機形成には、二つのレベルがあります。

第一は、「チームの目的」への動機づけです。会社には必ず経営理念がありますが、各チームにも存在意義、目指すべきビジョンといった目的があるはずです。これを明確にして部下と共有します。「私たちは誰のため、何のために頑張るのか」に腹落ちしてもらい、それに向かうモチベーションを醸成するのです。

これを踏まえて第二に、「個人の役割」への動機づけを図ります。チーム内でその部下に期待される仕事・役割に対して、高揚感を持ってもらうのです。そのためには、任せるのは誰にでも入れ替えがきく仕事ではなく、その部下の持ち味を活かした「あなたならでは」の仕事・役割として位置づけ、担ってもらうことです。ここではSTEP➀の傾聴面談で聴き取り共有した内容との繋がりが重要になります。自分の希望と力が存分に発揮できる働きがいのある仕事・役割として、組織と上司から承認され任されたものならば、部下は前向きな気持ちで取り組めるのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

人材育成の専門家集団(株)FeelWorksグループ創業者。兵庫県生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒業。リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」「就職ジャーナル」などの編集長を経て2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、独自開発した「上司力研修」「50代からの働き方研修」、eラーニング「新入社員のはたらく心得」などで400社以上を支援している。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年に(株)働きがい創造研究所設立。一般社団法人企業研究会 研究協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業 審査員なども兼職。著書は『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『上司の9割は部下の成長に無関心』(PHP研究所)、『年上の部下とうまくつきあう9つのルール』(ダイヤモンド社)、『「仕事を続けられる人」と「仕事を失う人」の習慣』(明日香出版社)、『もう、転職はさせない!一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)など30冊。最新刊『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)は、発売2カ月で4刷とベストセラーとなっている。YouTube「FeelWorksチャンネル」で働き方のヒント発信中▶https://www.youtube.com/channel/UCQfltGZFasnuK0BWQA8BSjg/