テレワーク時代に求められる上司力とは? 〜コロナ禍で一変するマネジメント〜《第3回》

任せた仕事の当事者、主人公は部下と心得る

話を戻しましょう。いかにITが進化したとて、コロナ禍でテレワークが広がることで、物理的に上司は部下の仕事ぶりを見ることが難しくなります。となると、頑張っている雰囲気を感じようとメンバーシップ型の管理を維持しようとするよりも、約束した仕事をしっかりやってもらうジョブ型にシフトした方が合理的だと考える企業が増えるはずです。

この変化を念頭に現場のマネジメントを考えると、上司には大きな意識転換が求められます。つまり、信じて任せた仕事の当事者、主人公は部下になる、ということです。これまでは、部下一人ひとりの役割が曖昧ながら、監督不行き届きと言われるリスクを避けるため、またチーム全体の成果を上から問われるため、部下の仕事ぶりを逐一見ないと気が気でなかった状態でした。しかしこれからは、任せたからにはその部分の仕事の責任は部下が持つため、上司はドンと構えてチーム全体の成果責任を取る覚悟を持てばよいのです。もちろん、任せた仕事が思うように進まない場合の相談や、連携が必要になった際のメンバー同士のつなぎ役などは担っていかなければいけません。しかし、あくまで自分の仕事を進めるための相談や連携なわけですから、その発信は部下側に委ねるのです。

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人材育成の専門家集団(株)FeelWorksグループ創業者。兵庫県生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒業。リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」「就職ジャーナル」などの編集長を経て2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、独自開発した「上司力研修」「50代からの働き方研修」、eラーニング「新入社員のはたらく心得」などで400社以上を支援している。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年に(株)働きがい創造研究所設立。一般社団法人企業研究会 研究協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業 審査員なども兼職。著書は『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『上司の9割は部下の成長に無関心』(PHP研究所)、『年上の部下とうまくつきあう9つのルール』(ダイヤモンド社)、『「仕事を続けられる人」と「仕事を失う人」の習慣』(明日香出版社)、『もう、転職はさせない!一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)など30冊。最新刊『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)は、発売2カ月で4刷とベストセラーとなっている。YouTube「FeelWorksチャンネル」で働き方のヒント発信中▶https://www.youtube.com/channel/UCQfltGZFasnuK0BWQA8BSjg/