テレワーク時代に求められる上司力とは? 〜コロナ禍で一変するマネジメント〜《第5回》

【STEP④】「切磋琢磨」を促す

ステップ③までで一定のチームの土台づくりができたことを踏まえ、部下が仕事を通して互いに切磋琢磨し合い、共に学び成長し続けることができる風土づくりに取り組みましょう。そこで、各部下には常に自分の仕事と能力を向上させるためのストレッチ(若干背伸びした)目標を持つように促し、一歩ずつキャリアの階段を上る姿勢を養います。部下の日々の気づきや創意工夫を大切にし、進んで提案しやすい機会と雰囲気をつくります。よいアイデアや提案はチームで共有し直ぐに取り入れましょう。

上司はメンバー間で切磋琢磨しながら働けるように、要所ごとに支援を行います。テレワークの最中でも、定期的にチームのオンライン会議を開き情報交換を図りましょう。自分以外のメンバーも自律的に創意工夫しながら働いている様子に刺激や啓発を受けられるようにして、さらに頑張ろうという意欲を喚起するのです。また、それぞれの仕事は繋がってチームになっているわけですから、違う立場のメンバーからのアドバイスや改善要望などフィードバックもし合えるようにします。

ただでさえジョブ型の働き方に変わっていく中、テレワークや時差出勤などで、チーム内のコミュニケーションがしにくい状況下ですから、放っておくと部下それぞれの仕事がタコツボ化してしまいます。互いに無関心なギスギスした職場にならないよう、上司にはチームをつなぐハブとしての役割が強く求められるようになります。率先して協働を促進する仕組みを作り、部下同士が善い刺激を与えあえるように努めましょう。そして、部下の切磋琢磨による成長や成果は大いに評価し、チーム全体での共有を進めましょう。

部下個々の自己啓発とともに、チームの定例ミーティングでは提案報告会や学習会なども組み入れましょう。部下が仕事の質や生産性の向上に向けて啓発し合いながら、自らの成長とキャリアアップに前向きに取り組めるように、支援をしていきましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

人材育成の専門家集団(株)FeelWorksグループ創業者。兵庫県生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒業。リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」「就職ジャーナル」などの編集長を経て2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、独自開発した「上司力研修」「50代からの働き方研修」、eラーニング「新入社員のはたらく心得」などで400社以上を支援している。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年に(株)働きがい創造研究所設立。一般社団法人企業研究会 研究協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業 審査員なども兼職。著書は『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『上司の9割は部下の成長に無関心』(PHP研究所)、『年上の部下とうまくつきあう9つのルール』(ダイヤモンド社)、『「仕事を続けられる人」と「仕事を失う人」の習慣』(明日香出版社)、『もう、転職はさせない!一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)など30冊。最新刊『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)は、発売2カ月で4刷とベストセラーとなっている。YouTube「FeelWorksチャンネル」で働き方のヒント発信中▶https://www.youtube.com/channel/UCQfltGZFasnuK0BWQA8BSjg/