コロナ禍の下、50代からのキャリア自律はより切実な課題に
2019年11月に出版した拙著『50歳からの逆転キャリア戦略 「定年=リタイア」ではない時代の一番いい働き方、辞め方』(PHPビジネス新書)は、発売2カ月で4刷となり、コロナショック以降も売れ続けています。読者の声をいくつか紹介します(図参照)。同書巻末で提案した「人生後半戦の使命を考えるキャリアプランニングシート」の申し込みも多数寄せられています。そのお便りに切々と書かれたコメントからは、50代ミドルのキャリア自律への思いと悩みが伝わってきます。

出版元のPHP研究所発行の老舗ビジネス誌「THE21」の2020年6月号では「50歳からの逆転キャリア戦略」を大特集。私もインタビューを受けました。近年、終身雇用、年功序列を土台とする日本型雇用の見直しが叫ばれ、バブル期に大量採用された50代ミドルの処遇も大きな課題となっていました。そこへ、図らずもコロナ禍による世界規模での経済危機が重なり、50代は今後さらに大きな試練を迎えざるをえません。
6月9日に㈱東京商工リサーチが発表した調査結果によると、同日までに上場企業の「早期・希望退職」の募集が35社・6,417人に上り、企業数では既に2019年の1年分に並び、2010年以来10年ぶりの勢いです。2019年から2020年の年初までは、業績堅調な業界大手による「先行型」実施が主流だったものの、2月中旬以降は赤字企業の「従来型」が集中しているのです。50代ミドルは早期・希望退職のターゲットでもあり、今後より厳しい環境が予想されます。
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