正社員とフリーランスの立場が逆転?!
同記事では、コロナ禍での在宅勤務や臨時休業の増加に伴い、若者のフリーランス希望登録が増えており、背景には将来不安からスキルを身につけ仕事の幅を広げようとする動きが見られるとしています。また、急速に浸透した在宅勤務は、会社でただ時間を過ごすだけの「ぶらさがり正社員」をあぶり出し、専門性の高いフリーランスの価値を高め、今後、正社員とフリーランスの立場は逆転する可能性もあるとの見方も示しています。
一方、現状ではフリーランスは契約企業との関係で弱い立場にあり、また正社員に比べて手厚い社会保障が得られない不安もあります。家計維持や子育てが切実な20代〜40代にはリスクが高く、フリーランスでの働き方を一般化するには社会的なセーフティネット確立など課題も少なくないでしょう。しかし、雇用のメンバーシップ型からジョブ型への流れ、また苦境にある企業がオフィスに多数の正社員を抱える形から、業務委託とテレワークによる柔軟な働き方を増やす動きも出てきています。こうして個人も企業も、フリーランスの働き方を積極的に評価する潮流がますます強まるでしょう。
フリーランスの中心層は、実は50代男性だった
公的な統計では、日本には241万人(内閣府2019)から390万人(労働政策研究・研修機構2019)規模のフリーランスがいると試算されています。このフリーランスのイメージを問われると、YouTuberやウーバーイーツの大きなバッグを背に自転車で走り回る配達人に象徴される、20-30代の若者や「好き」を仕事にした女性が中心かと想像されるのではないでしょうか。
ところが、リクルートワークス研究所の最近の調査(「データで見る最近のフリーランス」2020.3.30)によると、意外な結果が示されています。フリーランスの内訳は男性78.6%・女性21.4%、平均年齢が55.4歳、男性50歳代以上が54.8%。何と、フリーランスの中心層は知識、スキル、経験を蓄えた50歳代男性だったのです。
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