WITHコロナ時代・50代ミドルの覚醒が求められている《第3回》

50代こそ独立・フリーランスに適した世代

フリーランスと会社員との比較にも、興味深い対比傾向が現れています【下記参照】。代表的な差は、フリーランスは会社員に比べ、働く日や時間を決めるのに自己裁量がきき、週当たりの働く時間は10時間ほど少なく、通勤時間も20分短い点です。


【フリーランス(フ)と会社員(会)との違い】
Q.自分で勤務日を選べたか、自分で勤務時間を選べたか
「フ」=YES 64.1%、YES 63.4%  「会」=YES 24.4%、YES 18.6%
Q.労働日数、労働時間の平均は
「フ」=4.7日/週、31.9時間/週   「会」=5.1日/週、42.1時間/週
Q.通勤の平均時間、家事・育児の平均時間は
「フ」=44.8分、1時間38分      「会」=68.2分、1時間31分


フリーランスのなかでは、世代によって傾向に違いがあります。特徴的なのがストレスについて。ストレスを感じる人の割合を世代別に見ると、シニア層となる70代37.3%と60代39.2%に対して、若手層である30代65.0%、20代78.0%となり、年配ほどストレスを感じにくくなります。なんと20代に比べて70代では半減です。

20代から50代にかけては、結婚、子どもの教育費、住宅ローンの返済、親の介護などが必要となり、責任が重くなっていきます。そのため、勤めている会社での仕事や役割に不満があっても安易に辞めることはできない。昨今は結婚年齢も遅くなってきており、育児と介護が重なる人も増えています。結果、50代で役職定年、60歳で嘱託社員となり給与が半減しても会社にしがみつくしかないと考える人も少なくありません。しかし高年齢者雇用安定法が改正されたとはいえ、会社員にはいつかは定年がやってきます。年金について不安もあるなか、ストレスは高まるばかりでしよう。

ところが、フリーランスには定年がありませんから、早いうちから顧客と仕事を確保できていれば、年齢と実績を重ねるごとにストレスフリーになっていくということでしょう。
また、フリーランスになるために重要なことを尋ねた問いでは、「生活資金を蓄えること」44.8%、「コネクションをつくること」33.7%、「コミュニケーション力」24.8%、「情報収集力」24.7%、「問題解決力」21.6%、「営業力」21.2%と、一定の職業経験とノウハウの蓄積が貴重な資源になることがわかります。こう考察していくと、これまで会社員勤めでキャリアを積んできた50代が、フリーランスとして独立を視野にキャリアを組み立て直すことは、有効なのではないでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

人材育成の専門家集団(株)FeelWorksグループ創業者。兵庫県生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒業。リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」「就職ジャーナル」などの編集長を経て2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、独自開発した「上司力研修」「50代からの働き方研修」、eラーニング「新入社員のはたらく心得」などで400社以上を支援している。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年に(株)働きがい創造研究所設立。一般社団法人企業研究会 研究協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業 審査員なども兼職。著書は『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『上司の9割は部下の成長に無関心』(PHP研究所)、『年上の部下とうまくつきあう9つのルール』(ダイヤモンド社)、『「仕事を続けられる人」と「仕事を失う人」の習慣』(明日香出版社)、『もう、転職はさせない!一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)など30冊。最新刊『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)は、発売2カ月で4刷とベストセラーとなっている。YouTube「FeelWorksチャンネル」で働き方のヒント発信中▶https://www.youtube.com/channel/UCQfltGZFasnuK0BWQA8BSjg/