オフィスはまるで海賊船!若手も経営会議参加OK! 停滞ムードから働きがいNo.1企業への改革物語/株式会社VOYAGE GROUP《後編》

※この記事は2016年に取材・制作し、FeelWorksのホームページで公開されていたものを転載しています。


株式会社VOYAGE GROUP/「SSP fluct」などのアドテクノロジー事業、「ECナビ」などのメディア事業を中心とするインターネット事業を幅広く手掛ける“人を軸にした事業開発会社”。1999年、現代表取締役社長兼CEOの宇佐美進典氏が創業(当時の社名はアクシブドットコム)。2001年に株式会社サイバーエージェントの連結子会社化。今回インタビューした青柳智士氏は、サイバーエージェントを経て、2008年に入社(当時の社名はECナビ)。2009年にCCO(最高文化責任者)に就任し、経営理念、オフィス環境、人事制度などを全面的に刷新する企業文化構築に取り組んだ。その過程の2011年、社名を株式会社VOYAGE GROUPに変更。2012年にはサイバーエージェントからMBOによって独立し、2014年に東証マザーズへ上場、2015年には東証一部に市場変更。従業員数は約370人(2016年5月現在)。


エンジニアがエンジニアを評価する「技術力評価会」

面接担当者は一切マニュアルなしで臨み、「一緒に働きたいか」という基準のみで応募者を評価する。人事部として採用のコミット人数も特に定めない。この新たな採用方法は2012年卒からスタートしたが、新人が配属されたほとんどの事業部から「今年のウチの新人は優秀」という声が続々と挙がったという。また、この世代から社員の意識に明確な変化が生まれたと青柳氏は語る。

「『私はこれがやりたい』とIを主語にして語るのではなく、『VOYAGEはこうあるべきだ』と会社を主語にして語れる若手が増えたのは一つの成果ですね。『働きがいのある会社』で1位をとったときも、『青柳さんスゴイですね』ではなく、『やりましたね!』と自分たちのこととして声を掛けられたとき、ここまで来たかとしみじみ感じました(笑)」

短期スパンで結果を出す仕掛けと中長期的な改革を組み合わせつつ、企業文化を総合的に構築したことにより、同社では、クルーの自立心や当事者意識が現場の仕事を通して自ずと醸成される風土が整備されていった。では、この企業文化を土台に、人材育成の面ではどのような取り組みをしているのだろうか?

新規事業の提案制度、失敗事例を共有する「座礁学」など様々な制度が充実しているが、中でも注目すべき施策が二つある。一つは、エンジニアを対象とした「技術力評価会」だ。その中身は、エンジニアが半期に自分が携わったプロジェクトに関して、他事業部の上位のエンジニアに対して、コードを提出し、プレゼンテーションするというもの。上位のエンジニアはそれをもとに純粋に技術力を評価する。自分の技術力を客観的に測りたいエンジニアは誰でも手を挙げることができる。

「エンジニアがエンジニアを評価する仕組みを作りたかったんです。それ以前はエンジニアを非エンジニアがすべて評価していましたが、それでは評価される側の納得感が得られません。だから技術力はエンジニアがしっかりと見る。一方で、事業貢献の部分に関しては非エンジニアが見る。この両輪でエンジニアの評価を決めていきます。技術力が低くても事業貢献度が高ければ総合的な評価は上がりますし、その逆のことも起こります。ダメなところを減点するのではなく、いいところを加点で評価していくという考え方ですね」

この評価制度を構築するのも一筋縄ではいかなかったと青柳氏は振り返る。

「エンジニアは『マネジメント』とか『人材育成』という言葉に拒絶反応を示すことが多いんですね。実際に話してみて痛感しました。ただし、よくよく対話を重ねると、考えていることは私たち経営陣とそう大きくは変わらなかったんです。要は言葉の問題だと気づいて、それ以降は言い方を変えようと。『マネジメント』と言わず、『技術をみてあげてよ』『助けてやって』という言い方をすることでポジティブにとらえてもらえるようになりました」

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